「八坂の塔」の愛称で親しまれている法観寺の五重塔は、東山の景観に欠かせない存在。その塔の内部を拝観できることをご存知ですか?意外と訪れる人の少ない法観寺は、東山の景色を楽しめる隠れスポットなのです。
東山に佇む優美な五重塔
法観寺は、多くの観光客で賑わう二年坂や三寧坂のすぐ近くに。臨済宗建仁寺派のお寺で、聖徳太子が如意輪観音の夢のお告げに従って創建したと伝えられています。高さ約46mの五重塔は、東山の街並みの中でも一際目を引きます。中でも迫力ある五重塔が見られるのが夢見坂。土産物屋や茶屋が並ぶ坂道から間近に塔を見上げることができ、人気の撮影スポットになっています。



週末を中心に一般公開
五重塔は重要文化財に指定されており、現在の塔は1440年に室町幕府六代目将軍の足利義教によって建てられたものです。塔は何度か焼失と再建を繰り返しましたが、塔の内部には創建時の中心礎石が今も残されています。こぢんまりとした境内では、五重塔をはじめ聖徳太子の像が安置されている太子堂や、薬師如来などが見られる薬師堂、平安時代後期の武将・木曾義仲の塚などが。週末を中心に一般公開されていますが、不定休のため事前に電話で確認しておくと安心です。



いよいよ五重塔の内部へ
東側の入口から塔の内部に入ると、中央に大きな心柱があり、その周りには仏像が。阿閦如来や阿弥陀如来など、真言密教の金剛界五仏がそれぞれの方位に安置されています。また塔の北側にある階段から、二層目に上ることができます。狭く急な階段を登ると東西に窓があり、東側には連なる山々が、西側には石畳が続く街並みが見られます。時間帯によっては景色を独り占めできることも。風情ある景色を心ゆくまで楽しんでみましょう。



