左京区の一乗寺や修学院の辺りには、味わい深い寺社が点在しています。その一つの赤山禅院は、赤山さんの愛称で親しまれる古刹です。毎年11月23日に行われている「珠数供養」を訪れてみました。
京都御所の表鬼門を守る赤山禅院
修学院離宮の北東にある赤山禅院は、天台宗総本山・延暦寺の塔頭です。平安時代の888年に、慈覚大師円仁の遺命によって創建されました。赤山禅院は、京都御所から見て北東の表鬼門に位置しています。そのため、古くから皇城の鎮守として祀られてきました。現在も拝殿屋根には鬼門除けの猿の像が見られ、方除けや厄除けの寺として厚く信仰されています。


「もみじ寺」とも呼ばれる紅葉の名所
例年11月中旬には、境内のあちこちで美しい紅葉が楽しめます。山門から社殿へと続く参道は、色鮮やかなもみじのトンネルに。また弁財天堂の屋根にかかるもみじや、落葉したイチョウに包まれる三十三観音や十六羅漢など、お寺ならではの風情ある紅葉も見られます。期間限定でお茶所や露店が出ており、お抹茶やぜんざいなどをいただきながら紅葉をゆっくりと眺めることができるのです。



三十三回目を迎えた「珠数供養」
毎年11月23日に、京都珠数製造卸協同組合による珠数供養が行われています。普段は静かな赤山禅院ですが、この日は境内を埋め尽くすほどの参拝者で賑わっていました。
珠数供養はまず赤山禅院住職の叡南俊照大阿闍梨様による護摩供が行われ、参拝者に加持祈祷を施していきます。続いて三宝莚住職の栢木寛照様によるユーモア溢れるご法話があり、お参りを終えた参拝者に腕輪念珠が授与されます。その頃、本堂前の護摩壇では、善住院住職の釜堀浩元阿闍梨様のお導きで珠数のお焚き上げ供養が始まります。参拝者が自ら登壇し、お焚き上げをする姿も。秋真っ盛りの境内で、全国各地から寄せられた珠数がお焚き上げによって浄められました。


