日本の伝統文化であるいけばなは、室町時代に京都で発祥したと伝えられています。現在は様々な流派があり、大覚寺は、いけばな嵯峨御流の総司所(家元)。毎年4月に行われる華道祭では、いけばな作品が展示される華展や、献華式などが行われています。
重要文化財に映えるいけばなの大作
大覚寺は、真言宗大覚寺派の大本山。「旧嵯峨御所大覚寺門跡」と称され、嵯峨天皇の離宮嵯峨院を寺院に改めた、皇室ゆかりの門跡寺院です。
華道祭は、大覚寺が家元である嵯峨御流の最大の祭典。境内のあちこちに、いけばなの作品を展示する華席が設けられています。一番の見どころは、重要文化財の宸殿(しんでん)の華席です。きらびやかな襖絵を背景に様々ないけばなの大作が展示され、訪れた人々を楽しませてくれます。
有栖川宮慈性入道親王の150回御忌法会
7日の初日には御影堂前(心経前殿)で、嵯峨天皇献華法会と有栖川宮慈性入道親王150回御忌法会が行われました。有栖川宮慈性入道親王は大覚寺最後の宮門跡(住職)。霊宝館では、ゆかりの品々を展示した、150回御忌記念の特別名宝展も開催されています。
午前10時になると、僧侶を先頭に供華侍者たちの行列が勅使門を通り御影堂へ。堂内では2名ずつ順に華を供える献華の儀式や花点前などが行われ、法要で締めくくられました。
お茶席やいけばな体験も
大沢池では、龍頭鷁首(げきしゅ)舟のお茶席が設けられています。龍頭鷁首舟はかつて天皇や皇族の方々の宴に使われ、現在は春の華道祭と秋の観月祭でしか乗ることのできない貴重なもの。素晴らしい景色を望みながらいただくお抹茶は、格別な味わいです。
また高校生以下を対象にした、いけばな体験も行われています。基本を教わりながら繊細で奥深い、いけばなの魅力に触れ、作品を仕上げていきます。
華道祭は、4月7日から9日まで開催されています。