「紫式部」は源氏物語の作者ですが、同じ名前の植物もあります。桜の名所で知られる平野神社では、毎年10月の第一日曜日に、紫式部の見頃に合わせて「紫式部祭」が行われています。
季節の草木に彩られた平野神社
嵐電の北野白梅町駅から西大路通を北へ進むと、東側に平野神社の鳥居が見えてきます。境内には約60種400本もの桜の木があり、春には一面が桜色に染まるまさに桜の名所。また桜だけでなく、椿や蝋梅(ろうばい)、一初(いちはつ)や紫陽花など、一年を通して様々な草木が見られます。
桜苑の一角には、紫式部が植えられています。紫式部は6月から7月にかけて花を咲かせ、9月から10月頃に実をつけます。紫式部祭の当日(2017年)、木にはたくさんの紫の実がなり、ちょうど見頃を迎えていました。
秋の恒例行事「紫式部祭」
午前10時半頃になると、宮司や参列者が本殿前へと集まります。まず修祓(しゅばつ)の儀が行われ、続いて献茶の儀。拝殿には茶道具が用意され、速水流家元による献茶が行われます。7代家元、次期8代家元の順にお茶が点てられ、本殿に奉納されました。
すべての神事を終えると、お茶席ではお抹茶とお菓子が振る舞われます。参拝者たちは美しく色づいた紫式部を眺めながら、秋のひとときを過ごします。