見どころ

著名な俳人が集った、一乗寺の「金福寺」

2018-04-20

比叡山の裾に広がる一乗寺エリアには、修学院離宮や詩仙堂、曼殊院門跡などたくさんの見どころがあります。今回は、かつて松尾芭蕉が訪れ与謝蕪村らが眠る、金福寺を紹介します。

安恵僧都によって創建された金福寺

北白川通から比叡山の方向へ坂を上っていくと、住宅街の一角に金福寺の小さな山門が見えてきます。金福寺は864年に、円仁慈覚大師の遺志を継いだ安恵僧都によって創建されました。創建時は天台宗の寺で、大師自作の観音像が本尊として安置されていました。その後、荒廃しますが、江戸時代に圓光寺の鉄舟和尚によって再興。臨済宗南禅寺派の寺となり、現在まで続いています。

 

金福寺
金福寺の門前には「佛日山金福寺」の石碑が建つ。すぐ近くには、本願寺北山別院や波切不動尊などがある

 

 

 枯山水庭園で四季を楽しむ

石段を上り境内に入ると、すぐ左手に弁天堂があります。金福寺は、長野主膳を通じて大老・井伊直弼に反幕府勢力の情報を流していた村山たか女が、尼として生涯を終えた寺。弁天堂は、村山たか女によって創建されました。

中門を進むと本堂があり、その前には白砂と皐月の築山の枯山水庭園が広がります。庭園では皐月や桔梗、山茶花などの季節の花が見られるほか、秋の紅葉や冬の雪景色も見事です。本堂に座って、四季折々の景色をゆっくりと楽しむことができます。

 

弁天堂
弁才天像が祀られている弁天堂。村山たか女は巳年生まれのため、白蛇を遣いとする弁天さまを信仰していたと言われている

 

弁天堂 - 本堂
本堂には、村山たか女や与謝蕪村の遺品が展示されている

 

弁天堂 - 庭園
皐月の築山と白砂が美しい庭園

 

 

松尾芭蕉ゆかりの「芭蕉庵」

庭園の東側の小高い丘の上には、小さな庵があります。これは俳人である松尾芭蕉ゆかりの「芭蕉庵」。松尾芭蕉が京都を訪れた際、親交の深かった鉄舟和尚は庭園裏手にあった草庵で芭蕉をもてなしました。草庵は「芭蕉庵」と名付けられましたが、その後は荒廃。俳人で画家でもあった与謝蕪村によって再興されました。

芭蕉庵の傍らには与謝蕪村など著名な俳人や画家らが眠り、芭蕉庵で詠まれた句を記した石碑があります。そして丘からは、京都の街を一望することもできます。俳人に愛された金福寺で、四季の移ろいを感じてみませんか?

 

芭蕉庵1
1776年に与謝蕪村らによって再興された芭蕉庵。藁葺き屋根の趣ある庵で、北側には水屋も見られる

 

芭蕉庵2
与謝蕪村は晩年、俳句結社の「写経社」を設立し、4月と9月には句会を開催していた

 

与謝蕪村の墓
芭蕉庵の近くにある与謝蕪村の墓。松尾芭蕉を敬愛していた与謝蕪村が、自身が再興した芭蕉庵の傍で永眠することを望んだのだとか

 

展望
芭蕉庵近くの丘からの眺め。市内が見渡せ、愛宕山や左大文字山(大北山)なども見られる
金福寺
寺社名 金福寺
住所 京都市左京区一乗寺才形町20
電話番号 075-791-1666
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この記事を書いた人

risato
京都と猫が大好きなライターです。お寺巡りや美術館巡り、ハイキングやマウンテンバイクが趣味です。京都の新たな魅力と楽しみ方を求めて、市内のあちこちに出没しています。