三方を山に囲まれた、盆地にある京都市。その山々を巡る「京都一周トレイル」は、4つのコース、全長約80㎞で、自然を満喫しながら歴史や文化にも触れることができます。北山東部コースは、比叡山ケーブル駅から二ノ瀬まで続く17.9㎞のコース。今回は延暦寺・釈迦堂から、仰木(おおぎ)峠までを紹介します。
回峰行の峰道を進む
釈迦堂から修行道場「居士林(こじりん)」前を通り、ドライブウェイ下のトンネルを潜ります。そこからは回峰行の峰道。木々に覆われた修行の地を行きます。
道沿いには元三大師道の石碑やお地蔵さんが。木のゆるやかな階段を登ると青龍寺への分かれ道に出ます。浄土宗の開祖・法然上人の特別霊場である黒谷の青龍寺へは、そこから20分ほどです。




御所を拝する「玉体杉」
分かれ道を過ぎると、「玉体杉」がある小高く開けた場所に出ます。延暦寺の西塔から横川(よかわ)へのちょうど中間地点で、回峰行者らが御所へ向かって天皇のご安泰を祈る「玉体加持」を行う場所なのだとか。木々の間からは、遠くに御所が見えていました。
横川中堂へとつながる峠の「峰辻」を超えると、尾根の登り道が始まります。



二つの山を越えて仰木峠へ
峰辻からの道は、二つの山を越える北山東部コース最大の難所です。木の根が張り巡らされた急な坂道を登り切ると、まずは標高767mの横高山の頂上。休憩を取りながら、次の水井山へ向かいます。20分ほど坂道を行くと、トレイルコースの最高地点となる標高794mの水井山に到着しました。
水井山から目指すのは、京都の大原と滋賀の仰木を結ぶ古道で、かつて多くの人や物資が行き交ったという仰木峠。今は案内板が立つだけの、ひっそりとした場所になっていました。
釈迦堂からは約2時間の道のりです。




