三方を山に囲まれた、盆地にある京都市。その山々を巡る「京都一周トレイル」は、4つのコース、全長約80㎞で、自然を満喫しながら歴史や文化にも触れることができます。北山東部コースは、比叡山ケーブル駅から二ノ瀬まで続く17.9㎞。今回はスタート地点の比叡山ケーブル駅から、延暦寺・釈迦堂までを紹介します。
比叡山中腹のケーブル駅をスタート
始まりは比叡山の京都側の玄関口となる「比叡山ケーブル駅」。麓の八瀬からは約560mの標高差があり、街の暑さを忘れさせてくれます。
駅の裏手にある「北山1」の標識から木陰の道を歩いていくと、目の前に草原が広がります。比叡山人工スキー場の跡地で、秋には一面にススキが。その先の展望所からは、京都北山の景色が楽しめます。
比叡山延暦寺の境内へ
展望所からは下り道。比叡山ドライブウェイに架かる橋を渡ると、延暦寺の境内になります。天台宗総本山の延暦寺は、平安時代に最澄によって開かれました。比叡山全域を境内とし、東塔・西塔・横川(よかわ)の各エリアには、多数の寺院が点在しています。
まず見えてくるのは、千手観音を祀る山王院堂。そこから長い石段を下って、浄土院へ向かいます。最澄の御廟がある浄土院では、見事な枯山水庭園を見ることができます。
西塔の本堂「釈迦堂」を目指して
浄土院からは燈籠の並ぶ参道を通って、椿堂へ向かいましょう。椿堂を過ぎると、西塔の本堂である釈迦堂(転法輪堂)横に出ます。大きな伽藍が印象的な釈迦堂。元は滋賀県の三井寺(園城寺)の金堂で、1595年に豊臣秀吉によって西塔へ移されました。
ケーブル駅から釈迦堂までは、歩いて1時間ほど。釈迦堂から研修道場の居士林(こじりん)へと、ルートは続きます。