お正月最後の1月7日は、五節句の一つの「人日の節句」。若菜の節句ともいわれ、この日に若菜粥(七草粥)を食べて無病息災を願う風習が今も残されています。西院春日神社で行われた、若菜節句祭を紹介します。
平安時代に創建された皇室ゆかりの社
西院春日神社は、833年に淳和天皇が淳和院に奈良・春日大社の分霊をお祀りしたことに始まります。かつて淳和天皇の皇女が疱瘡(天然痘)を患い春日神社で祈願したところ、神前の石に疱瘡が移り快復されたのだとか。現在も1日・11日・15日には「疱瘡石」が公開され、病気平癒や厄除けのご利益があるといわれています。
新春恒例行事の若菜節句祭
毎年1月7日には、無病息災と五穀豊穣を願う若菜節句祭が行われています。午前10時過ぎになると本殿で神事が始まり、神前に春の七草が供えられました。
続いて行われたのは、古いお札や破魔矢を焚き上げる古札焼納祭。火切杵で起こされた御神火が木箱に納められて、本殿から拝殿前に運ばれます。宮司らが破魔矢などに御神火を移すと、あっという間に燃え上がっていました。
若菜粥で体の中から元気に
午前11時頃になると、境内は若菜粥を求める人の行列ができていました。番号札を持ち受取り席で待っていると、熱々の粥が運ばれてきます。春の七草が入った粥には、名物の西院小芋、梅や昆布が添えられていました。とろとろの粥にシャキッと若菜の食感が感じられる若菜粥。お正月で疲れ気味の胃腸をいたわってくれるような、優しい味わいです。
本殿前では、白馬(あおうま)飾りが特別に公開されていました。これは1月7日に白馬を見て邪気を祓う、宮中儀式の白馬節会にちなんだもの。参拝者は古来の風習に親しみながら、一年の健康を願っていました。