夏の楽しみの一つが冷たいスイーツ。季節感を大切にする和食文化が根付く京都には、様々な和の冷たいスイーツがあります。夏におすすめの、3つの和のスイーツを紹介します。
和久傳の「西湖」と「希水」
和久傳さんは明治3年に丹後で旅館として創業。現在は料亭やおもたせの店として親しまれています。和久傳さんの夏に人気のおもたせが、れんこん菓子「西湖」と、ささのか菓子「希水」。西湖は蓮粉と和三盆を使い、ぷるぷるもちもちとした食感と優しい甘さが特徴です。希水は笹とオオバコを使い、つるりとした食感とほんのりとした林檎の風味が楽しめます。どちらも青々とした笹の葉に包まれ、笹の香りがふわりと広がります。料亭のこだわりが詰まった、五感で涼しさを感じられるスイーツです。
京生菓子司 松彌の「金魚」
明治21年に「いろはもち本店」として創業した松彌さんは、四季折々の繊細で美しい和菓子を取り揃えています。夏期限定で販売されている「金魚」は、夏祭りの金魚すくいからヒントを得て作られた和菓子。淡い水色の寒天ドームの中には、羊羹で作られた色鮮やかなデメキンとリュウキンが優雅に泳ぎます。ぷるんとした冷たい寒天は梅酒がほのかに香り、しっとりとした羊羹の甘味が口いっぱいに広がります。夏のひとときを閉じ込めた、可愛らしいスイーツです。
大極殿本舗の「レース羹」
カステラや若あゆなどで知られる大極殿本舗さんは、明治18年の創業。様々な和菓子を販売しているほか、六角店では甘味処「栖園」を併設しています。大極殿本舗さんでこの時期おすすめなのが「レース羹」。寒天に輪切りのレモンを浮かべ、レースに見立てた美しい和菓子です。包みを開けると、たちまちレモンの爽やかな香りが。弾力のある甘い寒天にジューシーなレモンの酸味が加わり、どこか懐かしい味わいです。ひんやりとしてキュンと甘酸っぱいレース羹は、体が喜ぶ夏にぴったりのスイーツです。