京都には、季節ごとの旬の食材を美味しくいただける料亭や割烹が多くあります。2013年3月のオープンながら、早くもミシュラン1つ星を獲得した実力店の「日本料理 高松」さんに行ってきました。
おもてなしの心とこだわりの料理
四条通から綾小路通へと続く石畳の細い路地(膏薬辻子)の途中に、日本料理の高松さんがあります。風情ある町家へ入ると、大将と女将さんが温かく迎えてくれます。
高松さんの魅力は、女将さんの細やかな気配りとユーモアあふれる受け答え、そして大将こだわりの料理です。旬のものを美味しく食べて欲しいと、手間ひまかけて素材の持つ旨味を最大限に引き出した料理はどこか懐かしく、そしてどこか新鮮さを感じます。器選びにもこだわり、見た目も楽しめる料理になっています。
自慢のコース料理をいただく
メニューはおまかせコース(10800円)のみ。料理に合うお酒も用意されています。食べられないものや苦手なものがある方でも、予約時に確認してくれるので安心です。
◇一品目 海老芋と鮟肝のあんかけ 銀杏と蓮根チップス添え
ホクホク感のある海老芋とコクのある鮟肝に、出汁の効いたあんをからめています。
◇二品目 雲子豆腐
鱈の白子を使った濃厚過ぎずプルっとした触感の雲子豆腐に、薄氷に見立てた大根、小松菜と京人参が合わせられています。
◇三品目 鮃と鯵のお造り
筒氷の上に、歯ごたえのある新鮮なお刺身と薬味、かぼちゃ・大根・人参で作ったけんやつまが美しく盛り付けられています。
◇四品目 八寸
様々な料理が楽しめる八寸。雪吊りに見立てた飾りが季節感を演出しています。料理は右手前から海老芝煮、千社唐味噌漬、くわい、鯖寿司、牡蠣の燻製、玉蒟蒻、鴨ロース、秋刀魚、むかごと卵の豆腐、春雨ときくらげの和え物飛子添え、胡桃かりんとう。
◇五品目 塩鰤の焼物
塩水に浸しほどよい塩加減にした鰤を、表面はパリッと中はふわっと焼きあげています。
◇六品目 聖護院大根とほうれん草の炊き合わせ
出汁がよく染み込んだ聖護院大根に、ゆずと唐辛子の風味がアクセントになっています。
◇七品目 牡蠣ごはん 赤だしとかぼちゃと蕪の糠漬け
お米の浸水時間や炊き加減にこだわり、一粒一粒に牡蠣の旨味が染み込んでいます。京都の赤味噌(桜味噌)を使った赤だし、珍しいかぼちゃの糠漬けもごはんによく合っています。
◇八品目 林檎のゼリー 紅芋のチップ添え
秋映と富士という2種類の林檎を使ったゼリーに、ほんのりリキュールの効いたソースを合わせています。見た目も美しく、それぞれの林檎の食感の違いも楽しめる一品です。