2007年にオープンした、日本料理店の「じき宮沢」。看板メニューの「胡麻豆腐」をはじめ、料理人のアイデアが光る多彩な料理で人気を集めています。そんな「じき宮沢」さんの夜のコースを紹介します。
洗練された和の空間で
四条通から堺町通を上がると、人でにぎわう錦市場の手前に「じき宮ざわ」の看板が見えてきます。店内はカウンター席が10席のみ。木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気の店内は、この日も予約客で満席になっていました。
年代物の器に盛られた、華やかな料理の数々
夜のお食事は軽めのコースが7000円からで、しっかりとしたコースは1万円から。今回は1万円のコースをいただきました。飲み物は、日本酒や焼酎、ビールに梅酒、ソフトドリンクなど。日本酒を注文すると、「お好きなお猪口で」とカウンターに数種類のお猪口が並びます。料理はもちろん器へのこだわりも強く、見た目に楽しめるのも人気の秘密かもしれません。
一品目はズワイガニと昆布締めリンゴに、とんぶりと乾燥もずくをのせて。リンゴは甘すぎず、ほどよい酸味と食感を残し、紫蘇ポン酢を使いさっぱりと仕上げている
二品目はイワシの大豆ソースかけ。イワシは箸でほろりと崩れるほど柔らかく、大豆の自然な甘みとコクがイワシの旨味を引き立てる
三品目は車海老と海老芋の白味噌仕立て。車海老は炙って香りよく、海老の頭と殻で取った出汁を加えたスープは濃厚な味わい
四品目のヒラメのお刺身は、葛を使ったとろみのある土佐醤油に、珍しい酢飯をペーストにしたあん、パリッとした焼きのりや薬味と一緒に。斬新なアイデアが光る一品
五品目は看板メニューの胡麻豆腐。葛をたっぷりと使った胡麻豆腐を焼き上げ、胡麻を蜂蜜と出汁で練り上げたクリームと香ばしい煎り胡麻を合わせている。とろっとした食感と優しい味わいの、他にはない胡麻豆腐
六品目はアナゴともち米のちらし寿司。ふわふわのアナゴと錦糸卵に、甘辛い椎茸と弾力のあるもち米を合わせ、香りのよい山椒醤油でまとめている
七品目はサワラの炭火焼きに蕪と柚子、自家製からすみを添えて。数日寝かせたというサワラは、柔らかく上品な味わいで、柚子の風味やからすみの塩加減が美味しさを引き出している
八品目はアオリイカの炙りと太ネギ揚げの温かいてっぱい(ヌタ)と松の実、一休寺納豆を合わせて。コリコリとした食感のアオリイカと揚げて甘みの増した太ネギは、白味噌の酢味噌との相性抜群
九品目はクエの生レバー。仕入れた時にしか食べられない一品で、ごま油や薬味でシンプルに
十品目は七種のキノコの出汁でいただく、クエと聖護院大根。4時間かけて抽出したという、キノコの旨味がぎゅっと詰まった出汁が味の決め手
十一品目は釜で炊いたごはんを、漬物や味噌汁と一緒に。一膳目は蒸らす前の炊き立ての状態で、二膳目・三膳目と徐々に蒸らされていく。少量ずつ違った味わいを楽しませてくれるのが魅力
十二品目は「紅まどんな」と「あまおう」に、白ワインのジュレを合わせたデザート。果物のみずみずしさと甘さを大切にした爽やかな一品。最後にお薄と最中が出され、コースは締めくくられた