1934年に創業のフランソア喫茶室。クラシック音楽が流れるイタリアバロック調の空間で、こだわりのコーヒーと自家製レアチーズケーキはいかがでしょうか。
レトロでヨーロピアンな格調高いインテリア
「フランソア」という店名は、19世紀フランスのバルビゾン派の画家である「フランソワ・ミレー」からとられています。
見どころは、芸術・文化の香りが漂う、ヨーロピアンな格調高いしつらえ。内装は大海原をゆく自由な豪華客船をイメージして作られたといいます。実際にそこにたたずむと、創業者のフランス、ヨーロッパ文化への憧れと情熱を感じることができます。店内に流れるクラシック音楽に聴き入れば、日本にいることを忘れてしまいそうになるほどです。
レトロなワンピースに身を包んだウエイトレス、赤いビロードの張られた木製の椅子、白の漆喰のドーム型の天井、どこをとっても絵になる店内。フランソアで働きたいと憧れる人が多いのもうなずけます。
創業当時ここに集った文化人に、今でも人気のある画家の藤田嗣治や仏文学者の桑原武夫、哲学者の矢内原伊作などがいました。芸術・文化を感じさせるところにも、京都の喫茶店らしさがあるのかもしれません。
店内のデザインは、照明や壁に掛けられた絵画(シャガール、ダヴィンチ、フェルメール、竹久夢二など)も含め、多くは当時のまま。京町家の骨組みを残しつつ、バロック様式を取り入れた内装が評価され、2003年には喫茶店では初の登録有形文化財に指定されています。
こだわりのケーキをいただく
メニューで特に人気があるのは、コーヒーとケーキのセット。今回は、定番のコーヒーとレアチーズケーキのセットをいただきました。
大山牛乳を使用した濃厚なクリームと、香りがよくコクのあるデンマーク産のチーズを使用。とろけるような滑らかな食感で、レモンの微かな香りとブルーベリーソースがチーズの味を引き立てます。
コーヒーには、レインフォレスト・アライアンスが認定し品質管理が徹底された豆を使用。香りがよく酸味と甘みのバランスのよいコーヒーです。
その他のメニューにも、2代目である現社長の立野さんによって全国から集められた、こだわりの食材が使用されているそうです。
ケーキ類は10種類以上がそろえられており、フードメニューもトーストやサンドイッチが数々あります。バニラアイスクリーム、コーヒーゼリー、そして最近では珍しいプリン ア・ラ・モードもおすすめです。