かつて織物業で栄えた西陣地区には、古い町家を改装した個性的なお店が点在しています。かつての風情を残した落ち着いた界隈にあるヴィーガン(完全菜食)レストラン「いただき繕」もそのひとつ。隠れ家のような雰囲気を醸すお店で食べられる、個性的な野菜料理が話題です。
ロンドン発のヴィーガンレストラン
2009年、ロンドンに1号店をオープンしてから、国内外に展開しているヴィーガンレストランの京都店です。動物性食品、乳製品や添加物などは一切使用せず、仕入れは生産者の顔が見える無農薬や有機野菜の食材が中心。生命力に溢れたそれらの食材を、東アジアの昔ながらの生活の知恵を取り入れた調理法で提供されています。また味付けはヴィーガンでない人にも満足を感じてもらえるよう、工夫を凝らしているのだそうです。
季節の野菜が美しい寿司ネタに
「ヴィーガン寿司」は見た目も味もユニークな、夜のみの限定メニューで、お目当てで来る人も多いといいます。地産地消を心掛け、地元の京野菜をはじめとした新鮮な野菜をネタにしたお寿司は、季節ごとに内容が違い、飽きない一品です。素材はどれも鮮度抜群で、瑞々しい食感と野菜の滋味を堪能できます。
ロンドン店でも人気のラーメンを逆輸入
「野菜と豆乳のヴィーガンラーメン」はロンドン店で愛されたメニュー。野菜の旨みやコクをしっかりと感じるので、菜食メニュー特有といわれる物足りなさは気になりません。盛りつけられたシャキシャキのネギやもやしと一緒にお箸が進みます。また京都店の新メニューとして「醤油らーめん」も本日のおすすめに。どちらも無化調のスープに卵不使用の麺を使ったヘルシーなラーメンです。
定番食材は自社農園でも育てるこだわり
塩や味噌などの調味料から麦や雑穀まで、定番として使う食材の選別には、ただならぬこだわりがあります。スコットランドの自社農園で育てた大麦や、海藻をブレンドしたオリジナルの雑穀米、ギリシャの湖で採取された天日塩など、自然に沿って手間暇かけて作られたものばかり。「素朴かつ贅沢」というお店のコンセプトは、素材一つひとつにまで表現されているようです。
靴を脱いでくつげる趣のある空間
古くて大きな町家に靴を脱いで上がる店内は、まるでおばあちゃんの家を訪れたような懐かしさ。迎えてくれるスタッフの方の、朗らかでフレンドリーな対応にも心温まります。また日本ではまだ珍しいヴィーガン専門店で、しかも純日本風な町家での食事が楽しめるとあり、外国人留学生や観光客にも人気のようです。